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がん疾患について

統計的に日本人の死亡原因の3人に1人はがんで亡くなりますが、その反面早期にがんが発見され治療を受けると90%以上の人が治り平均寿命より長生きする場合も少なくありません。昔はがんという診断を受けるとほぼ死の宣告をされたと同じように受け止められていました。それは病気の発見が遅く、すでにがんが全身に転移をしていることが多かったことが大いに関連しています。

企業や市町村などが推奨する健康診断は血液検査、心電図、胸部レントゲン、胃の透視検査などで病気を早期に見つけるように国民に注意を促していますが、例えそのような検査を定期的に受けていても三大疾患である「がん、心臓病、脳疾患」は早期の段階で発見される確率はごくわずかです。多くの人は血液検査で内臓疾患が、心電図で心臓病が、胃の透視で胃がんが早期に見つかると思っていますが、早期に病気の発見を望むなら、心臓血管、がん、脳といった各分野の専門医による検査が欠かせません。一般の検診ではドック担当の医師がそれぞれの部位の検査所見を診て病気の有無を診断するので見落としが生じることがあります。取り分け胃がんの早期発見にはバリウムを使用しての胃のレントゲン透視で見つかることは稀で、内視鏡による検査が勧められます。

20万例を超える内視鏡検査の実績を持つ掛谷和俊先生は「名医が教える病気の見つけ方」(弘文堂、2018年)の著書の中で『がんには症状が無い!だから早期発見、早期治療、そして予防』が大切と書かれています。すい臓がんは内臓にできるがんの中で最も発見が困難な病気です。血液検査や腹部エコー検査などで早期に見つかることは稀で、造影剤を使用したMRI検査(MRCP)を行う必要があります。

進行がんの治療方法の進歩には目覚ましいものがあります。がんの転移が認められると、ほとんどの医師は「手術や放射線治療もできません。抗がん剤治療しか方法はありません。」と告げます。それは外科手術で病巣を切除する以外に従来の放射線治療や数種類の抗がん剤の治療方法しかなかったためでしょう。しかし、南が懇意にさせて頂いている佐藤俊彦先生はがん治療の専門家で『ステージ4でもあきらめない、最新がん治療』という著書(幻冬舎2022年出版)に新しい治療方法を提案されています。例えば、抗がん剤治療で使用する薬剤は疾患別に選択するのではなく、がんゲノム医療の一つである「遺伝子検査」を元に選択することにより、格段に効果が期待できること。放射線治療と免疫療法を併用することで進行がんの治療効果が期待できることなどを強調されています。「ゲノム時代のがん治療」という著書(青月社2019年出版)の中で星野泰三先生は遺伝子解析による最適化がん治療の時代の幕開けで、免疫療法は「元気を回復する健康法、体に優しい治療」と述べられています。これらの治療方法を組み合わせると進行がんでも70%くらいの確率で治るとされています。

病気の早期発見のために大切なことは、どの病院で診てもらったか、というより誰に診てもらったかという事が重要です。そして、病気が見つかった場合にも誰に治療を受けるかが治療成績にも大いに影響が出てきます。

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