医療コラム 心臓病について 2022.06.16 心臓病には生まれつきの病気(先天性疾患)と加齢と共に生じる病気(後天性疾患)があります。成人して心臓疾患が見つかるときには殆どの場合は後天性のもので、その原因は高血圧症、脂質異常症、肥満、喫煙、過度のストレスなどです。ではどのような病気があるのでしょうか? 1.心臓の栄養血管である冠動脈が詰まり狭心症や心筋梗塞を起こす 2.心臓の弁に閉鎖不全や狭窄の起こる弁膜症 3.心臓肥大により心臓機能が低下して心不全になる 4.心筋に細菌やビールスの感染で心筋炎が生じ心機能低下が起こる 5.心房細動や心室性期外収縮といった不整脈がおこる 成人の先天性疾患には心房中隔欠損、大動脈管開存症、心臓弁膜症、冠動脈起始異常症などがみられますが、それらは心臓病全体の3-4%と少ない。 後天性心疾患は脂質や糖質の多い食事習慣、運動不足による肥満、高血圧、喫煙に伴う動脈硬化症によって起こるために食生活を改める必要があります。動脈硬化によって動脈瘤ができて破裂したり、血管が狭くなり血の流れが悪くなったりします。しかし、初期の段階では、必ずしも痛いとか苦しいとかの症状が出るものではありません。 特に糖尿病を患っている人は神経の損傷によって症状が出にくい特徴があります。心臓病を長年放置していると脳、肝臓、腎臓といった内臓にも障害が起こったり、ある日突然に心筋梗塞、脳梗塞や動脈かい離が起きたりして重篤な状況に陥ります。 次のような症状のある人は来院をお薦めします。 ① 胸が締め付けられるように痛む ② 脈が飛んだり、乱れたりしている ③ 息が切れる ④ 熱や風邪の症状が無いのに空咳が出る ⑤ 午後になると足が腫れる ⑥ 夏でも手足が冷たい 心臓病は心筋梗塞、不整脈、脳梗塞といった後遺症が起きる前に発見して治療をすれば完治します。高血圧や糖尿病のある人は心臓病になる確率が高いことは良く知られています。手遅れになる前に早めの特定検診(心臓血管ドック)を受けてください。 Tweet Share RSS ホームページリニューアル ホームドクターと専門医の連携実例